COLUMN

Omega Constellation シリーズについて

Date Created : 2025.5.14

概要

オメガが1950年代に発表し、現在に至るまでフラッグシップモデルとしての役割を果たしているコンステレーションシリーズの歴史と、我々が有するコレクションの解説をここに書き記す。

前史

コンステレーションシリーズを語る前に絶対に外せない要素が存在する。それは”クロノメーター検定制度(COSC)”だ。これはスイス公認の時計の精度・耐久性試験であり、スイス国内3か所にある検定所にすべての時計を持ち込み、15日間試験を行い、検定に合格した時計のみが名乗れる、栄誉ある称号だ。なお、認定されるのはスイス製の時計の中でも僅か3%。


 オメガ社は、1948年に創立100周年を記念するモデルとして、金無垢ケースに自動巻、そしてクロノメーター認定ムーブメントを搭載したモデル「Centenary(センテナリー)」を発表した。

このセンテナリーを量産化したフラッグシップモデルが、今回解説するコンステレーションだ。

コンステレーションシリーズについて

コンステレーションの初代モデルは1952年に誕生した。このモデルの大きな特徴は、パイ-パンダイアルと呼ばれる12角のダイアルデザインである。パイを焼く皿に似ていることが愛称の由来とされており、時計史において最も美しいダイアルデザインのひとつといわれることもある。

これ以降、薄型化に成功したCal.550系や日付表示を加えたCal.560系を備える1960年代初頭に「コンステレーションⅡ」へと進化した。「コンステレーションⅡ」はシーマスターからの技術を転用し、ケースの薄型化と防水性能向上という二つの要素を同時に進化させ、当時として極めて高い実用性を持つ時計であった。

1964年に登場した「コンステレーションⅢ」では、スタイリッシュなベゼルレスに進化させた「Cライン」と呼ばれるケースとなり、より洗練されたモデルへと進化した。この「Cライン」はジェラルドジェンタによるデザインとして知られており、彼の功績の偉大さが垣間見える。これ以降もさまざまなバリエーションが登場し、現在もオメガのフラッグシップとして君臨する。我々は初代から「コンステレーションⅢ」の三世代に注目し、至極の三本をピックアップした。

Omega Constellation Ref.2699 ”De Luxe”

 初代コンステレーションの最上級モデルであった”De Luxe”の名を冠するモデル。Ref.2699は初代コンステレーションの18金無垢モデルに付与されたレファレンス番号で、ハーフローター式自動巻のCal.354を搭載する。この個体は初代の特徴であるパイ皿(Pie-pan)ダイヤルを備え、そして貴重で非常に人気のあるオメガ純正のラダーブレスを装着している。内装、外装ともに極上のオリジナルコンディションを保っており、マニアも唸る一本だ。

Omega Constellation Ref.143812 

こちらはいわゆる「コンステレーションII」にあたるモデルであり、文字盤のデザインなどから、1958年もしくは1959年に製造されたと考えられる。オメガ黄金期を支えたクロノメーター認定自動巻ムーブメントであるCal.551を搭載しており、当時の最上位モデルとして君臨した一本だ。こちらもかなり珍しい、18K無垢の純正ブレスを備えており、ノンポリッシュの外装やダメージのない文字盤などから、大切に保管され、極上の状態を保ってきたことが伺える。

Omega Constellation Ref.168.009

最後に紹介するこちらはデイト表示機能がついたモデルであり、「Cライン」と呼ばれるケースを拵えた第三世代にあたるモデルだ。このCラインケースは、オーデマピゲのロイヤルオークや、パテックフィリップのノーチラスなどをデザインしたことで知られるジェラルドジェンタ氏によりデザインされたことでも知られている。この個体は1965年前後に生産された一本で、珍しい18K純正ブレスを備えており、実用性とラグジュアリーを兼ね備えた一本だ。

参考資料;

・Webchronos,「オメガ『コンステレーション』の歴史と歴代モデルを知ると、一層この時計が好きになる!」(https://www.webchronos.net/features/120410/)

・Omega,「1952:The First Constellation」(https://www.omegawatches.com/chronicle/1952-the-first-constellation)